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2013年9月

2013年9月21日 (土)

ピアノコメディー (1)

ピアノもいいが笑いもいい。
ということでピアノを使ったコメディーを紹介したい。
基本的には、音楽版”あるある”が強調されているところにおかしさの源があるように思う。

まずは古くて恐縮だが、アメリカに移住したデンマーク人、Victor Borge である。
もうお亡くなりになった方だ。




ピアノ連弾物。
連弾をやったことがある人は、隣の人の存在が気になったり、
手や腕がぶつかり合ったり、交錯したりした経験があるだろう。
また時に、どちらかの人は忙しく弾いているが、
もう片方の人は暇そうにしているように感じることもあるだろう。
そんなちょっとした、よくあるざわつきをデフォルメし、拡大し、我が物顔で演じると、
実に滑稽なものになる。
ピアノの腕も相当なものでないと格好がつかないが。




次はヴァイオリンとの共演である。
ヴァイオリンとの掛け合い、速くなったり遅くなったり、
そしてこの曲特有の、移調したり、終わりそうで終わらないを繰り返す時の心の機微を、
手はいたって真面目に弾いていながら、
顔の表情や身体の動きで強調することで、
実に滑稽な風になる。
演奏自体も、妙に相手に負けまいと張り合っているようなところが可笑しい。
実際にもこのような挑戦的伴奏者がいそうである。
後半には、素人によくあることだが、
曲の中で、あるレベルを越える部分が来ると急に覚束なくなる、
そんな状況を思わせるかのように、
顔だけは平然と
という、演奏家の基本中の基本を守りつつ、
見事な恣意的崩壊を入れて見せている。
後ろに映っている楽団員が、転げんばかりに爆笑しているのも無理はない。



最後は、上記のものと同じ曲だが、リコーダーとの共演である。
リコーダーなど、口を使う楽器は、笑うと演奏できなくなる。
そこを利用して、相乗効果で可笑しさをもたらす。
ソリストがすっと演奏に入っていける前奏に作曲家はいろいろ心を砕くのだろうが、
そんな努力を嘲笑っているかのような、まったく逆の効果を追求した入りだ。
さらに曲の途中では、合わすために顔を見合わせるところが必ずある。
そこを狙って仕掛けるわけだ。
仕舞いには、わざわざリコーダーにトリルのようなものをやらせておいて、
それを口真似でひっくり返す。
必死に、真面目に、笑いをこらえて演奏しようとするリコーダー奏者は、
たまったものではない。

何事においても、大真面目と滑稽が紙一重であることが実によくわかる。

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