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2012年12月 7日 (金)

辻井伸行 日本ツアー2012 鑑賞記

CDやDVD、テレビ、インターネットなどでは何度も聴いていたのだが、
今回初めて辻井伸行さんのコンサートを生で聴く機会を得た。
以前このブログでも取り上げていたように、
今非常に注目しているピアニストであるがゆえに、
大きな期待とともに、その期待が裏切られるのではないかという、
少々不安な気持ちを持って臨んだ。
会場に入ってからも、以前どこかで見かけた記事の通り、
中年の女性が非常に多い観客構成にも不安が募った。

だが実際に聴いてみて、そのような不安が吹き飛ぶどころか、
CDやテレビで見聴きするものとは別物と言っていいほどの、
素晴らしい音楽を体験させてもらった。
我が家の音響システムが貧弱なせいがあるかもしれないが、
またピアノや弦楽器などのアコースティック楽器の宿命でもあるのだろうが、
CDで聴く音楽が箱庭的な、小奇麗に飾られ過ぎた、
細部までよく聴こえるが聴き手との相互作用の薄い、
物足りないものに感じらるようになってしまってもったいないと思うほど、
このピアニストの演奏者としての威力に打ち負かされてしまった。

全体の印象として、まず圧倒的なスピード感がある。
ショパンコンクール、クライバーンコンクールを経て、
さらに1段も2段も演奏力が向上している。
曲によっては速すぎると思えるものもある。
私はこれくらいの若さでは、これくらいのスピード感があっていいと思う。
これが40代、50代でどう取捨選択され、落ち着いていくか、
それがまた聴きどころになるだろう。

視覚的印象だが、指が良く動くのは当たり前だが、
そして例によって頭が良く動くのだが、
肩から足まで、そして腕も肘のあたりまで、
要するに黒い衣服の部分がほとんど動かないのだ。
動かないからと言って懲り固まっている風ではなく、
実にリラックスした、自然な、しかし鍵盤上のことの何にでも正確に対応できそうな、
実に安定感のある形だ。
私はそれを見て、以前NHKホールで見た、
Lazar Berman というピアニストを思い出した。
音楽のタイプ、音の美しさなど、作り出す音楽の魅力の質はかなり違うが、
ちょっと猫背で、どんな難曲も当たり前のように弾いてしまう、
その姿に視覚的類似点を感じた。

プログラムは前半がドビュッシー、後半がショパンだった。
私自身、前半のものはあまり聴き馴染んでいない曲、
逆に後半のものは聴き込み過ぎている曲で、
いずれの意味でも楽しむことが出来るのか、不安があった。

しかし一曲目、ドビュッシーの「アラベスク」で、このピアニストの世界に引き込まれた。
目の見えないピアニストは、音量が小さかったり、音色のコントラストが小さいのではないか、
との不安感があったが、それは杞憂に終わった。
タッチがしっかりしているのだろう、
歌う部分では個々の音が実に良く鳴っていて、ホールに心地よく響き渡った。

それでも、この1曲目を弾く間は、数名の観客の咳払いが、
少々気になるほど入れ替わり立ち代り聞こえていた。
それが2曲目、3曲目と進むううちに、ふと気づくと、そのような咳が一切聞こえなくなっていた。
まさしくホール全体が辻井さんの音そのものに引き込まれ、集中していっている、
そんな感じだった。

「ベルガマスク組曲」、「版画」と進んでいくにつれて、
音の響きの多彩さが、
より鮮やかになっていった印象を持つ。
「メヌエット」の最後のグリッサンドは、一瞬何をやったのかと思うような、
軽やかで不思議な音色だった。
「月の光」は、神秘的な響きと、甘ったるくない引き締まった表情が非常に魅力的だった。
版画に至っては、魔術的タッチといってもいいほどの多彩な響きを聴くことが出来た。

「喜びの島」はトリルと両手交差が飛び交う難曲だが、
出だしのトリルを長く引っ張って、その後オヤッと思うほどの間を置くなど、
いきなりこの曲の妖しい世界に聴衆を引き込む風格のようなものがあった。
その後はまさしく腕が鳴るといった感じの爽快感あふれる演奏で、
かなり長い曲のように思っていたのだが、あっという間に終わってしまった。

前半の印象が良かったために、後半の聴き慣れたショパンの出来はどうかと余計に心配になり、
しかも1曲目がワルツ第1番ということで不安も大きかったが、
ショパンの世界に聴衆を引き込む自信があったのだろう、
この人の陽気で、お茶目なところがある性格の良さがそのまま出たような、
そして弾き手によってその魅力が大いに左右されるショパンの音楽の良さを
見事に演じて見せた、と思えるほどのすばらしい出来だった。
辻井さんはこれ1曲で、ショパンの面白さを実演で示せる器を持っていることを示してくれたように思う。
ショパンでは個人の嗜好や経験に基づいた即興性や自在さを、ためらうことなく発揮する勇気が必要だろう。
そしてそれが奇妙な独りよがりでなく、聴衆に受け入れられ、聴衆の心を揺り動かすことができるかどうかだ。
もう聴き飽きて、自分からはまず聴こうとしないこの曲で、
辻井さんはその両方に成功したことを印象付けてくれた。

そしてこの演奏会で私が最も感心したのが、
次のスケルツォ第2番だった。
巨匠の風格さえ感じられる、実に堂々たる演奏だった。
冒頭から、その音の迫力と質にまず感激した。
そのフォルティッシモの音は、ホールに響き渡るというよりは、
ホールの壁を揺るがす
ほど、ドーンと響く迫力で、
しかもそれが見事にコントロールされ、音響としてきれいだった。
スケルツ
ォはイタリア語で「冗談」を意味し、「諧謔曲」と呼ばれるらしいが、
おどけておかしみのある
、気のきいた冗談、という意味に、
少々深刻な香りを加えたような、
急速で快活なこの曲を、
辻井さんは小気味良いリズム、鮮やかな音色変化、響きの豊かさ、絶妙の間、品のいいニュアンスで弾いた。
そして何より、音そのものが生き生きとはじけていた。
おそらくショパンコンクールに出た頃から実演で弾き込み、
磨き上げてきたのだと思うが、
この1曲だけでも、このピアニストの演奏会が常に超満員になる理由がわかる気がした。
これは決してCDなどに入り切る音ではないだろう。
最後の1音に至るまでの構成感も見事に仕上がっている感じだ。
この人の演奏を、またいいホールのいい席で聴きたくなる、
そんな思いを強くさせられた。

20代で弾く「幻想ポロネーズ」は、はっきり言って大きな挑戦だろう。
私がショパンの曲の中で最も好きなものの一つで、
その一見気まぐれに進んでいく、地味な中にも何とも味のあるこの音楽を、
このピアニストは今、どのようなイメージで弾いているのだろう。
ぜひともこの挑戦を続け、40代、50代と弾き込んで行ってもらいたいと思う。

私は「英雄ポロネーズ」の弾き方で、そのピアニストへの好みが大きく分かれる。
この曲で、その人のリズムの取り方の癖がわかってしまうからだ。
そして以前CDで聴いたときから、私は辻井さんの弾く「英雄ポロネーズ」が好きになっていた。
だからこのプログラム最後の曲は安心して聴くことが出来た。
中間部以降の、左手のオクターブの響きも良かったが、
私が一番好印象を持ったのが、それに続く、少し静かになる部分の歌い方だった。
超絶技巧を誇る幾多のピアニストを聴くたびに、
この緩徐楽章的部分のつまらなさ、退屈さにがっかりさせられた。
そして真に聴衆から愛され、長くその人気を保てるのは、
様々な曲の中にほぼ必ず存在する、
このような静かな、一見地味な、そして歌のある部分のうまさなのだと、
私は自信を持って断言できる。
そのような部分に音楽的魅力を出せない音楽家は、必ず飽きられ、消えてゆく。
辻井さんはこの曲のこの部分を、ホール全体によく通るほどの、
やや大きめの芯のある音で、浪々と、実に魅力的なニュアンスで弾いてくれた。
これを聴いて私は、このピアニストは、決して一過的な話題性だけでもてはやされる音楽家ではないことを確信した。

アンコールは、
ショパンの「別れの曲」、「革命」、
そして自作曲の「それでも、生きてゆく」、「花は咲く」だった。
「別れの曲」も私がこのピアニストを好きになった決め手となった曲の一つだ。
今のこのピアニストの「別れの曲」は、決して悲しい別れではなく、
また会える、希望に満ち溢れた「別れ」だが、
緩やかだがシャープなリズム、引き締まった、しかし時にほろっとくる表情など、
私はこの曲における彼の歌い方が好きなのだ。

さて「それでも生きてゆく」だ。
辻井さんの自作曲に賛否があることは知っている。
私自身彼の自作曲のすべてを好んで聴くというほどではない。
この曲についても、彼の思いは伝わってくる良い曲ではあるが、
彼の曲に良く出てくるある種の癖のようなものがやはり感じられる、
彼らしいと言えば彼らしい、愛すべき小品だ、というぐらいの認識だった。
これは東日本大震災のことを思って辻井さんが作った曲で、
また今回のホールが、3.11の東日本大震災当日に辻井さんが居合わせた場所だった、
ということもあったための、入魂の演奏だった、ということもあったかもしれない。
テレビやCDで何回か聴いたことがあるこの曲が、
はっきり言って、それらとは別物の音楽として私の心に響いた。

客観的に記述するならば、
ホールの隅々まで響く、憂いを持った右手の旋律と、
非常にかすかに、淡い背景のように絶妙に響く左手の伴奏音との、
見事な調和のもとに進んでいく音楽、ということになるが、
ピアノという楽器の底力を聴いた思いもする。
これもCDなどでは絶対に聴けない類の音楽ではないかと思わされた。
演奏者の聴く音とは異なる、マイクで拾った音として伝わっていくそれらの音楽と異なり、
同一空間で、演奏者の耳に戻ってくる音と、そこにいる聴衆の存在感とのフィードバックの中でしか成り立ち得ないと思える、
実に見事な響きだった。

静かな感じの曲という印象を持っていたが、朗々とを持って響く音によって、
旋律が異様なほど心に突き刺さり、魂が揺り動かされる威力のようなものを
感じた。
その響きの中には、およそ音楽を超えて、自分の意志や心の声を直接伝えている、
そんな迫力さえ伝わってきた。
  
ここで聴いたこの曲は、単にその曲の作曲としての良さをはるかに超えて、
このピアニストの演奏力と意志の力で、その魅力を何倍にも拡大されたものと言えるだろう。
このピアニストは、人を相手にした時、異常なまでの魔術的力を発揮する稀有の存在である、
そんな印象を強くした。

よく辻井さんのことを、盲目のピアニストとしてもてはやし、
またそれがある種の心情的アドバンテージであるかのように揶揄する評論を見かけることがある。
しかし私が今回生で辻井さんの演奏を聴いて確信できることは、
盲目であるのにすごいとか、その生い立ちへの心情的好感などということは、
もはやちっぽけなことであって、
もしこのピアニストにとって盲目であることにアドバンテージがあるとすれば、
聴衆に音楽で何かを伝えてやろう、
聴衆と音でコミュニケーションし、心の奥に、目には見えない何かを届けてやろう、という迫力が、
視覚がないがゆえに通常のピアニストに比べ何倍も多く備わったこと、
ということにあると言ってしまえるのではないかと思う。
そしてその成果は、このピアニスト
生で聴いてこそ、
しみじみと体感できる
ように思う。

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辻井伸行」カテゴリの記事

コメント

Shin-san,

こんにちは , もう一度。 アメリカから: 私は辻井伸行くんのファンです。
Please forgive me for not being able to write in Japanese.

This is quite an essay! As you know, I do not read Japanese, but using the "Chrome" browser, I have read a rough translation of it. These are such heart-felt and thoughtful comments. Coming from you, I know that they are not sentimental.

I understand your uneasiness about attending a live concert of Tsujii-san, and I am glad that you seemed to have come away satisfied. I am relieved that it appears that your high opinion on Tsujii-san has been affirmed.

I too love Chopin's "Scherzo" and "Farewell" played by Tsujii-san. I in fact play them every day and never grow tired of listening to them. The "Polonaise Fantasie"is, by Mr. Tsujii's own admission, difficult for him to interpret. I am frankly not a big fan of the polonaises, so I am glad that you have a positive feeling about the renditions of Mr. Tsujii.

"More than anything, the sound itself was lively and bursting. " This is how I feel about the music of Tsujii-san also. Some people prefer a more mature sound, but I like the vivacity and liveliness of Mr. Tsujii at this stage - we will have the opportunity to enjoy a more mature sound from him in the future.

I play the piano at a very elementary level. I can tell you that learning the notes of Debussy's Arabesque 1 and Clair de Lune is not the most difficult, but being able to play them well -- especially without the help of sight -- is almost inconceivable. I frankly cannot imagine playing these songs without looking at the score and the keyboard. More than ever, I am convinced that Mr. Tsujii can "see" the keyboard, in his unique way.

Thank you for sharing your experience with us. I would hate for you to have to spend time to re-write your essay in English, so I will say that the online translation is already good enough for me to understand. And I am very happy that someone as knowledgeable as you has given Tsujii-san a vote of confidence after listening to him live.

I will see Mr. Tsujii perform most of this program in America in January. And I look forward to sharing my experience on my website for the international fans of Mr. Tsujii https://sites.google.com/site/nobufans/

どうもありがとうございました!

Shinさん、はじめまして。こんにちは。

私も辻井さんの大ファンの一人です。
まるでコンサート会場の席に座って実際に彼の演奏を聞いているような、リサイタルの詳細な報告をありがとうございました。

私はクラシック音楽にはそれ程詳しくもなく、ただ私自身の好みで楽しんでいるだけですが、彼の演奏では透明で繊細なところももちろんですが、快適なテンポも私は大好きです。
これまで何年もピアノ音楽を聞くことはありませんでしたが、辻井さんの音楽に出会ってから毎日のように彼の演奏をi-Podで聞いています。

そして日本国内でチケットを買うのが難しいので、思い切って去年アメリカまで行き、M.L.Liuさんと一緒にリサイタルとコンチェルトを聞きに行きました。またいつか彼の生演奏を聴くことが出来たらと願うばかりです。

また彼のコンサートに行かれる機会がありましたら、また報告をお願いいたします。
ありがとうございました。

Liu-san,

Thank you for the comment.
I really appreciate your international activities on Tsujii-san.
As you suggested to me before, his live concert was so moving.
This is not an exaggerated bloviation but my honest impression.
I'm looking forward to your another impression next January.
Thank you.

N.S.さん

コメントありがとうございます。
辻井さんの「快適なテンポ」もお好きとありますが、
私も彼の爽快で癖のない、しかし切れ味の良いリズムがとても気に入っています。
リズムの取り方は音楽の魅力の中の少なからぬ部分を占めると思っているのですが、
辻井さんを聴くとその思いを強くします。

アメリカまで行って聴かれるとはすごいですね。
辻井さんの国内公演は私も何回かトライしたことがあり、すぐ売り切れて半ばあきらめていたのですが、
今回はチケットスペースオンラインの先行販売という仕組みを使ってみました。
一般販売は大抵繋がらなくてしかも数分で売り切れますが、
これだと余裕を持って席を選べました。

これからさらに円熟していくであろうアーティストを注目できて大変うれしく感じています。
これからもよろしくお願いいたします。  真

真さん
こんばんは

辻井さんのチケットはそんなに手に入れにくいのですか?
実は私は4月に辻井さんの演奏を聴けそうです。
BBCフィルハーモニックの演奏会(指揮:佐渡裕)でチャイコのコンチェルトです。
リサイタルでないからでしょうか、簡単に予約して手に入りました。
地方だからでしょうか?

地方では「これは」という演奏会はなかなかないので、コンサートも年に数度くらいですから耳の方もなまっていると思いますが、真さんの記事をしっかり読んで、聴きに行きたいと思います。
楽しみです。

はじめまして!
私はLiuさんからShinさんのことを教えて頂いた広島在住の者です。
こちらのブログは以前にも拝読させて頂いたことはあるのですが、コメントさせて頂くのは今回が初めてだと思います。

今回は辻井さんのコンサートの素敵な感想をありがとうございました。
とても心のこもった感想で、全ての音に集中されていたことが良く伝わってきますね。
一つ一つの曲の微細な描写には肯く点ばかりです。

辻井さんのライブ演奏は格別というご意見、心から賛同します。
私はこれまで4回辻井さんのコンサートに行っており、うち2回がソロリサイタルでした。(そのうちの1回は現在進行中のツアーの岡山公演でした。)
2回のリサイタル共に会場中が辻井さんの演奏に強く引き込まれたことが感じられ、また私自身1つの音も聞き漏らしたくないというぐらい集中して耳を傾けていたことを覚えております。
辻井さんの音は、音量も音質も豊かで、まっすぐに語りかけてくるものがありますね。
初めて聴いた時のベートーヴェンの力強さと幻想性にも強く引き込まれましたし、今回のドビュッシーやショパンの演奏も素晴らしかったと思います。幻ポロも含めて今の辻井さんの良さが出た正統派の演奏だったように感じられましたし、聴いていてワクワクしつつも非常に心地良かったです。

私は2005年から辻井さんのファンを続けているのですが、当時は彼のコンサート自体まだまだ少なく、また、ネット上などにも一握りの情報しかなかったため、数少ない情報を貪るようにしていたことを記憶しております。
ですので、現在の彼の活躍はこの上なく嬉しいですし、また、Shinさんが書かれているような骨太な素晴らしい評論が読めることにも喜びを感じております。
これからも辻井さんの一層の活躍を期待すると共に、こちらのブログで彼に関するShinさんの率直なご意見をまた拝見させて頂くことを楽しみにしておりますね。

P.S. Liuさんからいつも聞いておりますが、ビデオの件もいつも快くご協力頂き、(私の負担が減って?)大変助かっております!happy01

ひこうき雲さん
チャイコフスキーの協奏曲の公演は、東京以外の何ヵ所かの公演はまだ売れ残っているようですね。
協奏曲はかなり値が張るということも影響しているかもしれません。
私は以前独奏公演のときにちょっと足を伸ばして浜松ではどうかと思って申し込もうとしましたが、全然だめでした。
浜松近辺はピアノ産業が盛んだから、興味を持つ人が多かったのかもしれませんが。
私もいつか協奏曲を聴いてみたいと思っており、うらやましいです。
ひこうき雲さんはクラシックにお詳しいので、私の印象などの先入観なくお聴きいただいた方が良いかもしれません。
いいひとときになるといいですね。  真


M.K.さん
コメントいただきありがとうございます。
Liuさんの活動にご協力いただいているようで、ありがとうございます。

私はピアノのコンサートは少々聴いたことがあり、
まさしく期待と不安の入り混じった気持ちで聴きに行ったのですが、
予想以上の素晴らしさに、長文を書いてしまいました。
これも主観ですから聴く方によっては、またプログラムによっては、そうでもないと思われる方もいるかもしれません。
私自身辻井さんの生演奏はまだ1度しか聴いていないので、
今回良かったために今度は、次回聴いたらどうかという不安が頭をもたげています。
ただこれほど聴衆を惹きつけるクラシックのピアノコンサートはめったにないと感じたのは事実で、
これからも大いに期待したいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。  真

shinさん 初めまして。以前からブログを読ませて頂いております。shinさんの経験に基づくピアノの基本から細かく感想を書かれているので、音楽に疎い私でも分かり易いので貴重なブログだと思いました。ところで・・・昨年の日本ツアーのみなとみらい公演では私も友人と一緒に行きました。他の公演も聴いていたので少しだけ余裕を持って聴く事が出来るかな?と思っていたのですが、やはりその時、その場所でのコンサートホールの音の響きも違うので新鮮な感じがします。shinさんのショパンの演奏に対する思いも、凄く詳細にその日の事を文章にされているので、私もその文章によって、コンサートの日のことを思い出します。今回、辻井さんの演奏されたショパンは、素人の私にも馴染み深い曲ではありますが、他の演奏者との違いも勿論、あるかと思いますが、演奏を聴いている側にとって、手に汗を握って、はらはらしながら(心臓がドキドキと言う方が正しいかもしれませんが・・・)始終、聴いていると自然とその世界に引き込まれ涙する事も多々あります。そんな経験って他の演奏者には過去になかったと思います。上手い方は沢山いらっしゃいますが、魂がこもった演奏と言うのはそう中々、ありませんでした。shinさんの最後の方に書かれている辻井さんの目の見えない事に対する事についての文章は、特に共感する思いであります。shinさんのご活躍は小さい(?)頃から拝見しておりました。いろいろな経験をされている人生を過ごされ、こんなコメントしか書く事ができないのですが、とても尊敬しております。又、これからも辻井さんのコンサートを先行販売のチケットを入手された時には、ブログでお目にかかるのを楽しみに待っております。乱雑な文章と勝手な感想を書いてしまいましたがお赦し下さい。

みこママさん

お読みいただいたうえに、わざわざコメントまで送っていただきありがとうございます。
私の記事では事細かく、また持って回ったような言い回しで書いているようですが、
いただいたコメントにあるみこママさんのご感想は、私の感じた印象そのものです。
「上手い方は沢山いらっしゃいますが・・・」のくだり、私も
上手い音楽家はいっぱいいても、自分の心を本当に動かしてくれるアーティストに巡り合うということは、
とても幸運で幸せなこととつくづく思っています。
しかも、たとえ気に入ったアーティストでも、その演奏などに接して常に感動できるとは限らないと思います。
半分は演じる側に、もう半分は聴く側に、その決め手があって、
両方の波長があったとき、とても心地よいひと時を過ごせるのではないでしょうか。
恥ずかしながらもこの記事はそんなひと時の記録なのですが、
今読み返しても、当時の感動が私なりによみがえってきます。
ありがとうございました。

言い方くどい

自覚しています。
一つ上のコメントにも書いた通りで。
しかし書き手はそれを楽しんでしまっていますので、あしからず。

プロコフィエフ・マニアで、辻井さんはほとんど知らず協奏曲3番をホールで6列目で聴きましたが、あとのアンコールのショパンの革命もともに完璧。非常にリズム感が良く、世界でもこれだけ速く正確に弾ける人は多くないはず。だから右手と左手のすべての指が同期してよく響く。また、低音がクリアに響くのは、やはり弾く加減やペダリングなど上手いのだと思います。
指揮者が見えないので、オケの楽器とピアノが共に始まるパッセージの部分は、ずれることがありますが、曲の解釈がきわめてオーソドックスなのでおおよそ問題ではありません。
おそらく、準備と練習時間を十分取って、話を聞いて研究しているでしょうから、良くも悪くも独特の解釈や弾き方というのはありませんでした。もっとプロコフィエフ弾いてほしいな。ご存知の通り、プロコの協奏曲はどれも超難曲です。さすがに、演奏中にたびたびピアノの右端をタッチして位置を確認していました。

Muneさん
コメントありがとうございます。
辻井さんはプロコフィエフ・マニアの方のお耳にもかなったということでしょうか。
彼のリズム感の良さは私も感じているところで、
先日テレビ放映のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番でも垣間見られました。
また曲の解釈がオーソドックスというご指摘も同感です。
日本のピアニストには、ちょっと独特の解釈や歌い回しをする人が結構いて、
私などはちょっと鼻につくことが時々あるのですが、
その点、オーソドックスな中での響きの美しさ、緊張感、リズムや乗りの良さ、などで勝負しているところが
私には好ましく思われます。
辻井さんは楽譜を、音楽解釈を入れない音にしてもらって覚えるらしいのですが、
それが彼の自然な音楽感と結びついての結果なのか、
それとも案外、過去の名ピアニストの演奏を結構聴いて研究していて、
それらの平均、あるいは良いとこ取りをした結果、
そういう演奏に慣れ親しんでいる聴衆にはオーソドックスと感じられるのかもしれません。
いずれにしてもこういうことは教わってできることではないので、
彼の感性と共鳴していることは間違いなく、
これからもレパートリーを広げていく中で、
変わらずに発揮されるものと私も期待しています。

Shinさん,

It has been a while. A fan of Tsujii-san told me about the latest comment on this page about Tsujii-san's recent Yokohama performance of Prokofiev 3rd concerto, and I was pleased to read it and your response.

I saw Tsujii-san perform the Prokofiev concerto in London in 2012, with Vladimir Ashkenazy. I think he was "taking lesson" from Ashkenazy, not formally, but by performing with him. Ashkenazy was consulted again for Tsujii-san's playing of Rachmaninoff's third concerto.

I saw Tsujii-san perform both concertos in U.K. He was truly impressive. Really, as so many Japanese bloggers have already written: there is no word to describe the accomplishments of Tsujii-san. The Rachmaninoff is, of course, more romantic and beloved. But Nobu-kun has performed the Prokofiev concerto many more times, and to me his performance of it is more mature. It is only half as long as the Rachmaninoff, but -- as Americans would say -- the Prokofiev packs more of a punch (that is, hits harder).

I think Tsujii-san's Prokofiev is awe-inspiring.

It's good to know that you still care about Tsujii-san's music.

M.L.Liu-san,

Thank you for commenting.
I appreciate your continued efforts to introduce Tsujii-san to the world.
https://sites.google.com/site/nobufans/

His mentor, Kawakami, sometimes says Tsujii-san has excellent physical capability.
We would say it is notably demonstrated in the Prokofief concerto.
Even more surprising, in addition to the exciting rhythm and speed,
it is hard to explain but,
each note in the fast passages has solid core and is clearly defined.
It is sharply-etched almost extraordinarily.
Watching his footage, we can understand how such sounds come from.
We can watch his awesome performance partially on Youtube.
I hope it should be kept on DVD officially.

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