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2012年4月 8日 (日)

天地真理62 ちいさな恋(2)

ところで、皆さんはYouTubeにある「ちいさな恋(萌え声バージョン)」というものを聴かれたことはあるだろうか。
私はこれでちょっと面白い体験をさせてもらったので、それについて触れてみたい。

ひょんなことからこれの存在を知り、
まったく予備知識なくその音を聴いた私は、
まず始めの1、2小節を聴いた段階で、久々に心が沸き立った。
もとよりこの歌は、天地真理さん以外では聴けないと考えていたのだが、
”萌え声”というだけあって、かわいらしく、少々人工的な香りがするものの、
とても上手で、真理さんのムーディーな雰囲気を継いでいるかのようなすばらしさを感じ、
こんな歌手が他にいたのか、と色めき立ったのだ。
さらに1、2小節聴き進むと、その歌いまわしのすばらしさに心奪われるとともに、
あまりにきちっと歌われているために、これは人工音声か、あるいはだれかある歌手の声を音響処理したものではないかと思う一方、
ひょっとしたら、という気持ちがこの時点で芽生えた。
そして、恥ずかしながら、”待っているー”、”指切りはー”のビブラートで耳が照合を始め、
”今沈むー”を聴いた時点でようやく確信となった。
これは天地真理さん自身の歌声を処理したものだったのだ。
”萌え声”処理とは、オリジナルの歌を、テンポはそのままで音程を1度(キーをAからBへ)上げたもののようだ。

それと気付いた後、2度、3度と聴くと、
これは明らかに真理さんだとわかるのだが、
全く何も知らない状態で聴いたこの”萌え声”は、

とても面白い体験だった。

  余談だが、私ははじめ、これは声だけを何か処理したものではないかと疑い、
  歌声抽出を試みた。
  この歌は、オリジナルカラオケが発売初期の”プレミアムボックス”にあったため、
  歌入りの音源からこのカラオケ音声を引き算すると、
  容易に真理さんの歌声だけを抽出することが出来る。

  私はかなり遅れて”プレミアムボックス”を購入したため、
  初期の特典であるオリジナルカラオケの原典版を持っていない。
  だが、YouTubeにアップされた、少々音質の劣化したオリジナルカラオケを拝借して
  この引き算処理をしてみると、それでもそこそこの歌声抽出が出来た。
  少々消しきれない、雑音のような伴奏部分が聴こえるのだが、
  真理さんのアカペラを聴いてみるのもいいだろうということで披露しておく。
  
  私はこの一見無駄な作業を行った後、はたと気付いたことがある。
  天地真理さんがア・カペラで歌っているのである。
  すなわち、これに勝手に伴奏をつけて合成すれば、
  自分好みの(テンポやリズムを変えられないので全く好みにとはいかないが)演奏に乗せて
  歌っていただくことが出来るのだ。
  オリジナルカラオケをお持ちの方で、志がある方は、
  試みられるのも面白だろう

さて、この「ちいさな恋(萌え声バージョン)」をアップされた方は、
他の歌手についても”萌え声バージョン”を公開しておられる。
それらを一通り聴かせてもらって気付いたことがある。
天地真理さんが歌う音程が、殊のほか正確なのだ。
完璧とは言わないまでも、ほとんど機械のように正確といってもいいほどだ。
逆に言うと、その他の歌手の方の音程が結構ずれていることが、
この1度音程を上げた処理で、強調されて聴こえるということだ。
これは、以前に声の周波数分析を行ったときに触れたが、
音程が上がるほど、
音程としては同じ1度(の何分の1か)の変化が、周波数の変化としては大きくなる、
ということが効いているのではないかと思う。
つまり、低音での音程変化より、
高音(あまりに高音ではこれもわからなくなるが)での音程変化の方が、
人の耳にとって、変化として感じられやすいためだと考えられる。
誰がどうということを言い出すと差しさわりがあるし、
また、音程が少々ずれていても、それは味となる場合もないわけではないので、
個別の分析はしないが、はっきりいえることは、
天地真理さんの音程が、他に比べて非常に正確に聴こえる、ということだ。
これは私がこの方の歌を聴いていて、
とても心地よく聴こえる一要因として前々から思っていたことなのだが、

この「ちいさな恋(萌え声バージョン)」のおかげで、
図らずもそれを、よりはっきりとした形で認識することが出来た。

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天地真理」カテゴリの記事

コメント

真さん こんばんは

「萌え声バージョン」を初めて聴いた時は「???」という感じでしたが、真さんのおかげであらためて聴いてみるととても興味深いですね。
私には「萌え声バージョン」は「萌え声」というけれど、むしろ余分なものをそぎ落とし純化された蒸留水のような感じに聴こえます。
逆に言えば本来のバージョンがミネラルたっぷりで味わい豊かだということがそこからわかると思います。

それから「歌声抽出」にはびっくりしました。こんなことができるのですね。さすが真さんと思いました。
そしてアカペラで聴いてまたびっくり。真理さんのうたの豊かさがかえってくっきりと聴こえてきました。

真 さん


こんばんは。お世話になります。

昨年の集いではお声かけて頂きありがとうございました。

バタバタでゆっくりお話しできなくてとても残念でした。

「ちいさな恋(萌え声バージョン)」初めて聴かせて頂きました。が、、、全くわかりません。

そう言われたらそうかな~?って感じです!

私事で恐縮ですが、またマイブログ再開させて頂きました。ちょっとの休止期間でしたが、やはりまた即やりたくなって

しまいました。ご連絡遅くなり申し訳ありません。

今後ともよろしくお願い致します。

ひこうき雲さん
コメントありがとうございます。
「萌え声バージョン」はちょっとした加工なのに随分変わった感じがします。
そして本人のオリジナルや、他の歌手の「萌え声」と聴き比べると、
また違った感慨が浮かんでくるように思いました。
真理さんのアカペラは味わい深いですよね。
個人で楽しむ以上のことをすると著作権にひっかかりそうですが、
これにいろいろな伴奏をつけたりすると
とても楽しいと思います。

temariさん
ブログ再開ありがとうございます。
私の方が休止中にtemariさんが充電期間に入られることを知り、
これだけの大御所の方が休まれるとはかなりのご事情があるのではと
びっくりしておりました。
再開された新たなブログ「愛・つづれ織り」でのお言葉、
”無理をせず、マイペースで”は簡単なようで案外難しいですね。
入り込んでいくとなかなかそうならない部分があることを
実際やっていると痛感します。
私の方はtemariさんほど長期間、高頻度に更新を続けてきたわけではないのですが、
それでも休止期間後はだいぶん肩の力が抜けたように感じています。
私のようなものの側から見ると、
temariさんのような方が、ほんとにたまにでもいいので本文を書かれるだけで
同好の方(の代表)としての大きな存在感を感じることができます。
”無理をせず、マイペースで”
ご自分のお気持に正直に取り組まれることを祈ります。
わざわざこちらにまでコメントをいただきありがとうございました。

真さん、こんばんは~

またおもしろい事に気づかれたものですね^^。

この動画をUPされた方の感性、どこか真さんに似たものを私は感じます^^。

お二人とも、いい意味の‘遊び好き‘ですよね。

あと、真理さんのアカペラ最高です。CDで出されたらたくさん買ってこちらの友人知人に是非配りたいです^^V。

私もこのYTを初めて聞いたときは、真さんの記事の内容と全く同じような感想を持ち、また、最近の若い人で、原曲に忠実に歌える人がいるものだと感心したので、昨年の12月ごろ、このYTに「いい感じですね。歌手名を教えてください。」とコメントを投稿しました。

カラオケでも、声のピッチを変換する機能があるものを以前試したことがありましたが、男声は、あまり違和感なく女声に聞こえました。ただし、地声も同時に聞こえるので、変な感じです。

初音ミクの人気や、昔の白黒映画がフルカラーの画像になったり、CGが普及している今となっては、何が本物なのか見分けがつきませんし、既に、本物を探そうなんてこともしなくなっているように感じます。

仁さん
コメントありがとうございます。
確かに”遊び好き”ですが、
素材が良くないと、ですね。

chitaさん
コメントありがとうございます。
そうと思って聴くとそれなりに聴こえてきますが、
違うものと思って聴くと、わかりませんよね。
たった1度の違いで印象が大きく変わってしまうとは、
この点での人間の識別力は結構いい加減なのかもしれません。
CGや合成音とまでい行かなくても、クラシックのピアノ音楽の録音でも、
いろいろと加工されていると思われるふしがあって、
どこか違うと思うことがありますが、
かといって本物、原音は何かということになると
なかなか難しい事のように思います。
生楽器の良さは、やはり格別のように私などは思いますが、
一方で、初音ミクこそ本物で、それを生声でどこまで忠実に再現するか、
などということも、今の価値観ではありえることでしょうから。

はじめまして、enkenともうします。
真理さんの楽曲に対する、真さんの深い洞察にいつも感心しながら楽しく読ませていただいています。
小学生の当時「ちいさな恋」を聴いて、妙に不安というかソワソワした気持ちになった記憶があります。転調する曲というものを、聴いたことがなかったせいかもしれません。後半の長調部分になると気持ちがホッと和んで、何度も繰り返しレコードをかけてしまうのでした。
こちらで萌え声バージョンがアップされていることを知り、聴いてみましたが、知らずに聴いたとすれば有望な新人さんの声と思い込んでしまったでしょう。とにかく新鮮でした。
「ちいさな恋」アカペラを聴くと、真理さんの歌がきわめて正確な音程で歌われていることがよく分かります。私も「歌声りっぷ」というソフトを使って自分のCDからリップした「虹をわたって」とYoutubeからDLしたカラオケファイルをぶつけてボーカル抽出を試みましたが、とても真さんのように見事にオケが消えてくれませんでした。素人にはなかなかハードルが高いようです・・・。
これからも、よろしくお願いします。

enkenさん
ようこそ。そしてコメントをいただきありがとうございます。
音程の正確さについて、私の自己満足的な思い込みの部分も多々あるのではと、
不安な気持ちもないわけではありませんが、
共感いただけて大変心強い感を抱きました。
後半の長調部分で”ホッと”されたということは、
”妙にソワソワ”されたのは前半の短調部分でしょうか。
わかる気がします。
この短調部分には独特のムードがあるというか、
序奏部分のフルート、ピアノ、弦などの響き自体もそうですが、
フルートと弦との掛け合いのような感じになっている真理さんの歌声が、
それらの伴奏とからんでとてもいい響きで、
声自体にもこの時期独特の柔らかさが感じられます。
それが明るくもなく、暗くもなく、どこか大人の雰囲気を出しているようにも感じられ、
何か胸の奥をくすぐられる感じがします。
そして長調部分に入った時、軽やかさの中にも、
どこか”ホッと”するニュアンスと響きがありますね。

ところで今回のボーカル抽出では私も「歌声りっぷ」を使わせてもらいました。
「設定」のところで「抽出優先」にしていろいろいじくった結果です。
ボーカル自体が多少劣化しているように思いますが。
カラオケの原音を持っていないので何とも言えないのですが、
DL版の波形をオリジナル曲と比較して見てみると、キチッと伴奏を消し去るのはなかなか難しい感じです。

真さんこんばんは。
昨日時間があったので、歌声りっぷの設定を見直してみました。
音質調整を「抽出優先」にして処理したところ、真さんの「ちいさな恋」に近いレベルまで改善しました。(前回は「音質優先」で処理していました。)リバーブがやや強めにかかったようになりますが、十分楽しめるアカペラです。ありがとうございました。
ご指摘のとおり「ちいさな恋」の前半部の子供には理解できない歌詞の内容が、ムーディーなアレンジとあいまって私をソワソワさせていたような気がします。
この頃の真理さんのボーカルには「私は天地真理」で見せるほどの突き抜けるような躍動感、力感はまだありませんが、空間にフワッと広がっていくような柔らかい響きが感じられますね。

enkenさん
どのフリーソフトもそうですが、「歌声りっぷ」も、
手動でやろうとすると結構大変なことをいとも簡単にやってくれます。
やりたいと思った方が情熱を傾けて作られたんでしょうね。
感心します。
それにしても、天地真理さんの歌声に当時から惹かれ、
そして今も大切に思っておられる方の存在をまた一人知ることができて、
とてもうれしい気持ちです。
これからもよろしくお願いいたします。

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